【徹底解説】おひさまエコキュートVS従来のエコキュート|特徴やメリットデメリットを解説
目次[表示]
おひさまエコキュートと従来のエコキュートはどっちが光熱費を節約できる?
2001年から販売されている、自然冷媒ヒートポンプ給湯器のエコキュート。エコキュートの中には、おひさまエコキュートというものがあるのはご存知でしょうか?
2022年から、新しく太陽光発電を利用してお湯を沸かす「おひさまエコキュート」が販売されています。これまでのエコキュートとおひさまエコキュートはどう違うのかわからない、結局どっちを導入したらいいのかわからない、という方もいると思いますので、今回は
・おひさまエコキュートの特徴や従来のエコキュートとの違い
・おひさまエコキュートのメリットとデメリット
・おひさまエコキュートが向いている方と向いていない方
について解説していきたいと思います。
エコキュートやオール電化のお見積もりはこちらから
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
おひさまエコキュートの特徴と従来のエコキュートとの違いについて
おひさまエコキュートとは、太陽光発電システムと連携を前提とした給湯器になります。太陽光発電システムと連携していることで、電気を効率的に自家消費でき、従来の夜間蓄電型のエコキュートに比べて、給湯光熱費を節約することが可能です。というのも、太陽光発電で昼間に発電を行うと、昼間に消費する電力と蓄電池に蓄える電力よりも多く発電することが多々あります。
一般的には、太陽光発電の余剰電力は電力会社に売電することが多いです。ですが、2023年現在、電気の売電価格は16円/kW、2024年も同様に16円/kW以下であることが予想されていて、年々売電価格が下がっています。
一方で、電力会社から買電すると、深夜の安い時間帯でも約32〜34円程度と、売電よりも2倍以上高い金額になっています。そのため、電力会社に売電するよりも自家消費した方がお得という考えもあって、おひさまエコキュートが誕生しています。
引用元:くらしTEPCO「業界初! 太陽光でお湯を沸かす「おひさまエコキュート」を大解剖。ダイキンのショールームを訪問!」
一方、従来の夜間蓄熱型のエコキュートは、電気代の安い夜間を利用して、お湯を沸かすことができる給湯器です。そのため、太陽光発電や蓄電池を導入しなくても、利用することが可能です。なお、どちらも取り込んだ外気を圧縮して生み出した熱を利用して、お湯を沸かすという点に関しては同じになります。
おひさまエコキュートと従来の夜間蓄熱型のエコキュートとの違いは、以下の3点が挙げられます。
(1)おひさまエコキュートには太陽光発電システムが必要
(2)お湯を沸かす時間帯
(3)契約する電気料金プラン
この3つの違いについて1つ1つ解説していきます。
(1)おひさまエコキュートには太陽光発電システムが必要
従来のエコキュートでも太陽光発電があれば、太陽光で発電した電気を活用することができますが、なくても電力会社から電気代が安い時間帯に電気を購入して安くお湯を沸かすことが可能です。そのため、太陽光発電があっても従来の夜間蓄熱型のエコキュートを活用できますが、太陽光発電が必須ではないのです。
一方で、おひさまエコキュートは、コンセプトとして昼間の日射量の多い時間帯に太陽光発電で発電した電気のうち、余剰分をうまく活用してお湯を沸かす、というのがあります。そのため、おひさまエコキュートには太陽光発電が必要となります。
(2)お湯を沸かす時間帯
冒頭でも少しお伝えしましたが、おひさまエコキュートと従来のエコキュートとでは、お湯を沸かす時間帯が異なります。おひさまエコキュートは昼間にお湯を沸かすのに対して、従来のエコキュートは夜間にお湯を沸かします。
(3)契約する電気料金プラン
従来のエコキュートの場合は、深夜帯に電気料金が安く、昼間の電気料金が高いオール電化向けの料金プラン(例:東京電力「スマートライフプラン」)に加入する必要がありました。一方、おひさまエコキュートの場合は、おひさまエコキュート専用の料金プラン(例:東京電力「くらし上手」※)に加入することができます。
※ くらし上手の料金プランは、おひさまエコキュートを導入したご家庭限定の料金プランです
おひさまエコキュートのメリット
①昼間にお湯を沸かすことで電力削減
おひさまエコキュートは、太陽光発電の余剰電力を活用して、お湯を昼間に沸かします。そのため、従来のエコキュートのように夜間に沸かすよりも電気代がお得ですし、昼間の暖かい外気を活用してお湯を沸かすため、夜間に沸かすよりも電気の使用量が少なくて済みます。実際に、ダイキン工業株式会社の発表によると、従来のエコキュートよりもおひさまエコキュートの方が給湯光熱費を約33%削減することができるというシミュレーションもあります。
つまり、おひさまエコキュートは省エネ性能が高いため、給湯光熱費を節約したい方におすすめです。
従来のエコキュートで昼間にお湯を沸かせる?
余談ですが、従来のエコキュートでも太陽光発電があれば、昼間にお湯を沸かすことは可能ですし、おひさまエコキュートに近いメリットを得ることが可能です。実際に、東京電力グループの検証では、エコキュートを昼間に稼働した場合の方が夜間に稼働した場合よりも消費電力は少ない、という結果が出ています。
ただし、後述する電気の料金プランが異なるため、消費電力は少ないけど電気料金が高かったとなる可能性があります。もし、東京電力エナジーパートナーの管轄外の方であれば、太陽光発電を導入して従来のエコキュートを昼間に稼働させることを検討するのもいいかと思います。ただし、その場合でも導入前に太陽光発電の発電量や余剰電力、電気料金などを含めたシミュレーションをするようにしてください。
②タンクでの放熱ロスが少ない
おひさまエコキュートは昼間にお湯を沸かすので、従来のエコキュートに比べて沸かしてから使用するまでの時間が短いです。そのため、タンク内での放熱ロスが少なく、追い焚きをする可能性は従来のエコキュートよりも低くなります。
③従来のエコキュートでは入れない電気代のお得な料金プランに入れる
おひさまエコキュートを導入した方限定で、東京電力が提供する「くらし上手」という料金プランを契約することができます。
この「くらし上手」というプランの特徴は、
・基本料金が定額で120kWhまで定額料金
・どの時間帯でも電気代が一律20.80円/kWh
となっていて、電気代もかなりお得です。
そのため、天候不良などが続いて、太陽光発電で十分に発電できなかった場合でも、光熱費を抑えることができます。
④騒音問題を解消できる
従来のエコキュートは夜間にお湯を沸かすため、静まり返った夜間ではエコキュートの音がうるさく感じしまうことがあったり、近隣とのトラブルになるケースもわずかにありました。ですが、おひさまエコキュートの場合は昼間に稼働するため、周りの環境音に紛れて気にならなかったり、近隣の住民もお仕事等で家にいないケースも多いので、トラブルになりにくいです。
⑤断水などの災害時に備えられる
エコキュートと同様に貯水タンクがあるので、断水時や緊急時に貯水タンクにあるお湯を生活用水として使用することが可能です。飲用水としての使用はおすすめできませんが、身体を拭いたり、食器を洗ったりするのに利用することができるため、万が一の事態になっても対応できます。
エコキュートやオール電化のお見積もりはこちらから
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
おひさまエコキュートのデメリット
省エネ性能に優れ、電気代を大幅に削減できるおひさまエコキュートですが、当然デメリットもあります。②〜④の項目は従来のエコキュートにも当てはまるものになりますので、注意してください。
①初期費用が高額
おひさまエコキュートを導入するには、併せて太陽光発電の導入も必要です。そのため、どうしても従来のエコキュートやガス給湯器と比べると、初期費用が高くなってしまいます。ですが、ランニングコストとしての光熱費は従来のエコキュートやガス給湯器よりも低くなるので、10〜15年と使っていく中で導入費用の差額分を回収でき、光熱費の節約ができるようになります。
また、太陽光発電やエコキュートを導入するのに補助金も使える地域もありますので、タイミングを合わせて活用すれば、初期費用を抑えることも可能です。
②お湯切れのリスクがある
エコキュートは貯水タンクに水を貯めて、その水を温めて利用する構造になっています。そのため、お湯を沸かすまで利用できないというリスクがあります。加えて、お湯が切れてしまってお湯を沸かす必要が出てくると、タイミングによっては太陽光発電の余剰電力が使えず、蓄電池に蓄えてある電気を使ったり、電力会社から電気を購入せざるを得なくなる可能性もあります。
おひさまエコキュートでは、24時間電気代が変わらない料金プランですが、お湯きれが起きると電気代が上がってしまう可能性があるので、注意をしてください。
③貯水タンクのスペースが必要
これはエコキュートもおひさまエコキュートも同じですが、ガス給湯器とは異なり、貯水タンクのスペースも必要になります。例えば、貯水タンク370Lのおひさまエコキュートのタンクサイズは、横幅640mm×奥行き740mm×高さ1850mm前後になります。
また、エコキュートのメンテナンスやお手入れをするためにもスペースが必要になります。
④シャワーの水圧が弱い
エコキュートはお湯の水圧を下げて貯水タンクに貯めておきます。そのため、水道水をそのまま温めて給湯するガス給湯器に比べて、シャワーの勢いが弱いというデメリットがあります。
<参考:エコキュートと水道の水圧>
エコキュートの水圧:170〜190kPa
水道の水圧:150kPa〜400kPa
ですが、シャワーヘッドを変えたり、給湯温度を高めに設定して使用する際の温度を低調整するなどで、シャワーの水圧をあげることは可能です。エコキュートの水圧調整に関する内容はこちらでも詳しく解説していますので、よければ確認してみてください。
→【厳選】エコキュートの水圧は本当に弱い?|エコキュートの水圧を上げる方法4選
⑤メーカーや機種等の選択肢が少ない
エコキュートは発売されてから時間が経っていることもあり、高圧タイプや省スペースタイプなど、さまざまな機種がありますが、おひさまエコキュートは販売されたばかりなため、選択肢が少ないのが実情です。ただ、メーカー側でも日々研究・開発が行われているので、今後新しい機種が増えてくると思われます。
⑥お得な電気料金プランに入れる地域が限定的
おひさまエコキュート限定のお得な料金プランに入れる地域が限定的になっています。東京電力が提供する「くらし上手」は、以下の地域でのみ利用可能です。
・栃木県
・群馬県
・茨城県
・埼玉県
・千葉県
・東京都(島嶼地域を除く)
・神奈川県
・山梨県
・静岡県(富士川以東)
上記の通り、「くらし上手」を利用できる地域が関東地方がほとんどで、他の地域ではお得なプランの提供自体がありません。ですが、今後おひさまエコキュートの普及が進むに連れて、お得な料金プランも増えてくることが予想されます。
おひさまエコキュートを導入したユーザーや日中にエコキュートを稼働させたユーザーの反応
オール電化やったらおひさまエコキュート良いよね!?昼間にお湯沸かしとけば、その後すぐに使うし効率良くない?
— 楓🍁@ゴーヤ (@Kaede_Goya) January 25, 2024
おひさまエコキュートさんはうちの湯消費量だと,消費電力抑制(=キャップ)運転で10時開始の2時台沸き上げ完了になっていて冬期としてはちょうどうまくはまっている感じ。
— ぱららん (@pararan) January 25, 2024
ようやく2年分のデータがたまったので公開。エコキュート昼沸き上げで削減できた電力は1年で214.7kWh。夜中心に沸かすのと比べると1年で中間期1か月分の買電量くらいは削減できるかな?という感じ。おひさまエコキュート導入の参考になれば。 pic.twitter.com/MRPiqXifK4
— とみは (@tmh_home) January 3, 2024
今日は1日曇りだった為、全然発電してなかった
— 凛太朗 (@Oika71lRxFFat5R) December 9, 2023
我が家のエコキュートはパナ460lタイプ。お昼頃手動で沸き増して3時間くらいかけて満タン。
1日の電気代が250円くらい節約出来てるかも。その分売電が120円くらい減ってるので実質130円くらいおひさまエコキュートがお得?かも
次は2日間停止して挑戦😁 pic.twitter.com/gJ2fSRQN9b
エコキュートやオール電化のお見積もりはこちらから
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
おひさまエコキュートが向いている方と向いていない方
おひさまエコキュートが向いている方
・長期間で光熱費を節約していきたい方
・太陽光発電をすでに導入している方
・太陽光発電の導入を検討している方
・「くらし上手」に入れる地域にお住まいの方
おひさまエコキュートが向いていない方
・初期費用をあまりかけたくない方
・太陽光発電を導入しないと決めている方
・「くらし上手」に入れない地域にお住まいの方 ※1
・すでにエコキュートを導入している方 ※2
※1 「くらし上手」に入れなくてもおひさまエコキュートを導入することはできます
※2 おひさまエコキュートでなくても、従来のエコキュートを昼間に稼働させるだけでも光熱費をより抑えられる可能性があります
まとめ(1分で記事を読みたい方はこちらから)
おひさまエコキュートは、太陽光発電の余剰電力を活用して、昼間にお湯を沸かすエコキュートになります。
従来の夜間蓄熱型との違いは、
(1)おひさまエコキュートには太陽光発電システムが必要
(2)お湯を沸かす時間帯
(3)契約する電気料金プラン
の3点が挙げられます。
また、おひさまエコキュートのメリットは5点あって、
①昼間にお湯を沸かすことで電力削減
②タンクでの放熱ロスが少ない
③従来のエコキュートでは入れない電気代のお得な料金プランに入れる
④騒音問題を解消できる
⑤断水などの災害時に備えられる
になります。
一方で、おひさまエコキュートのデメリットは以下の6点が挙げられます。
①初期費用が高額
②お湯切れのリスクがある
③貯水タンクのスペースが必要
④シャワーの水圧が弱い
⑤メーカーや機種等の選択肢が少ない
⑥お得な電気料金プランに入れる地域が限定的
ですが、「①初期費用が高額」については、補助金を活用すれば初期費用を抑えることが可能です。
②〜④は、おひさまエコキュートだけでなく、従来のエコキュートにも当てはまるデメリットです。
⑤と⑥に関しては、今後おひさまエコキュートが普及すれば、解決する可能性が高いと思われます。
なお、おひさまエコキュートが向いている方は、以下のような方です。
・長期間で光熱費を節約していきたい方
・太陽光発電をすでに導入している方
・太陽光発電の導入を検討している方
・「くらし上手」に入れる地域にお住まいの方
また、おひさまエコキュートが向いていない方は、以下のような方です。
・初期費用をあまりかけたくない方
・太陽光発電を導入しないと決めている方
・「くらし上手」に入れない地域にお住まいの方
・すでにエコキュートを導入している方
千葉を拠点とする『株式会社iR』では、太陽光発電や蓄電池、エコキュートやオール電化などの工事を手掛けております。
エコキュートやオール電化のお見積もりはこちらから
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
記事の監修者情報
太陽光発電、オール電化販売会社に営業として7年間勤務。
会社員時代に支店長を務め全支店TOPの売り上げを達成。
2016年からは独立し株式会社iRを設立。
設立後には船井総研の講師や外部企業のコンサルティングにも携わる。
オススメ記事
①【徹底解説】エコキュート 5人家族での電気代の実情と節約のコツ
②【2024年最新】エコキュートの交換・買い替えで活用できる国の補助金とは?
③【徹底解説】おひさまエコキュートVS従来のエコキュート|どっちが光熱費を節約できる?特徴やメリットデメリットを解説
④【厳選】エコキュートの水圧は本当に弱い?|エコキュートの水圧を上げる方法4選